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SXSW2024参加録

東大の産学協創推進本部がSXSWというイベントでの展示を支援してくれる「Todai To Texas」に採択され展示を行いました。

SXSW会場の様子

我々のチーム「DubGuild」のページ

SXSWとは

SXSWは、世界100カ国以上から約40万人が参加する大規模なアメリカの展示会です。著名な企業幹部が多数訪れることで知られ、過去にはイーロン・マスクセルゲイ・ブリンマーク・ザッカーバーグなどが参加し、今年はOpenAIのVPも来場したそうです。また、airbnbUberTwitterといった企業がここからローンチしたことでも有名です。

我々の展示

産総研の覚醒プロジェクトで採択されている「日本語版の世界観を崩さないアニメの吹き替え」を体験できるブースを用意しました。

参加者には英語でキャラクターのセリフを話してもらい、その発話を私たちのシステムで日本語に変換し吹き替えアニメを制作するというものです。

展示の様子

また、我々が開発している吹き替え用ツールについての説明をしました。

SXSWでの体験できたこと

SXSWでは、様々なイベントに参加しました。講演会(Session)、メンターとの一対一セッション(Mentor Session)、業界関係者とのネットワーキング会(Meetup)、展示会(Creative Industrial Expo)などです。

Session

登壇者らが自分の経験や、自分が作っているプロダクトについて話していたり、議論していたりするのを聞くというものです。

Crunchyrollの創業者のKun Gaoが創業時の様子について語ってくれていて、それがとても面白かったです。また、Session後にKun-sanを捕まえて繋がることができました。

Mentor Session

SXSWが雇ったメンターと15分間一対一で話せます。400人もいてメンターは豊富なのですが争奪戦が激しすぎて、僕らのプロダクトと直接関係がありそうな人の予約は取れませんでした。

ビジネスについての一般的な話だったり、アメリカではどのようなstreamingサービスが一般的なのか話す、という場になりました。また、Unityの人と僕らのプロダクトをゲームにどう応用するかについて議論できたのは良かったです。

余談ですが、予約サイトが途中までぶっ壊れてたり、予約に来ない人が多すぎて大体30分になっていたりしてアメリカを感じました。

MeetUp

業界の関係者が集まって交流会をする場です。お菓子がそれぞれのテーブルにあり、立食パーティーのような雰囲気でした。

自分はアニメーターのイベントに参加したのですが、ガチのアニメーターばかりで雑談をしていたら終わりました。アメリカのパーティにぶち込まれてる感じで、話すスピードとかも速い人が多く結構大変でした。

Creative Industrial Expo

色んな企業や団体が展示をしている場所です。我々もここで展示をしていました。

他にもAI系の会社があるので見て回ったりなどしました。

ブースにはメディア、他の展示会の関係者、まだ大きくない会社の偉い人で顧客になってくれそうな人などが来ていました。

得られたもの

狙っていた偉い人と繋がれたのが良かったです。

また、行くまでは予期していなかったことなのですが、JETROの中の我々のプロダクトと関係がありそうな組織や韓国のアニメ系のイベントを知ることができました。

また、「アメリカに行ける」というのを餌にして今のチームに足りない部分を補ってくれるメンバーに来てもらえ、アドバイスを貰えたの良かったです。

払ったもの

展示をやるのが結構大変で、自分たちが見積もっていた以上の時間がイベントの参加準備に必要でした。チームで500時間ぐらい使ってると思います。

反省点

我々がここに来るにはまだ早かったか....?

売り物がまだできて無かったので、歯がゆい思いをすることは多かったです。その場でいい反応をくれた人も基本的にイベント後には正気に戻って返信もくれなくなるので「この場で覚えて貰って将来に繋げる」というのは簡単じゃないなぁと感じました。なんならこっちも誰がどんな反応くれたか結構忘れましたし、自分以外の展示についても殆ど覚えてないです。

また、must-haveから作ろうとしなかったため開発が混迷したのは良くなかったです。

その他

個人的な感想ですが、「SXSWに参加している」という事実が重要であり、SXSWをどのように活用するかをもっと考え、展示に関してはあまり力を入れ過ぎなくても良かったかもしれません。また、普段の開発と比較して、「技術力よりもマンパワー」を要するタスクが多かったため、その点には注意が必要だと感じました。