英語帝国を打倒しよう

言語の壁に計算機で挑もう!

学会行ったら現地のオタクが香港のメイド喫茶に連れて行ってくれた件

自然言語の国際会議「PACLIC37」は香港のPolyU(香港理工大学)という大学で開催された。
会議が終わった後日本人と話していると、日本語に気付いたのか謎のラブライブの缶バッチを付けた人(以降、Aさん)が話かけてきた。

なんでも、Aさんはアニメ好きで日本語を勉強中とのこと。早速自分たちが開発しているAI吹き替えシステムを聞いてもらったり、アニメについて語り合って意気投合。discordのidを交換して色々なやり取りが始まった。

日本に行って買いそろえたらしい。

話していると、Aさんは土曜に日本語の試験を控えているとのこと。自分も香港の人が日本のアニメ文化をどう接種しているのか気になっており、日本語勉強会+香港アニメ文化勉強会的な感じで、香港の旺角(Mong kok)を案内してもらえることになった。

Aさんは「旺角は日本の秋葉原と原宿と渋谷を集めた感じです」と言っていた。旺角は人が多い場所という意味。統治時代には香港島にイギリスからやって来た人達が住みはじめ以降も先進的な街が作られていった一方、半島側の旺角は地元の人がたくさん集まる場所でありつづけているらしい。人が結構多かった。

 

Mong kok

彼がまず最初に案内してくれたのはこの赤いビル。赤はあまり香港のビルには使われないから珍しいのだそう。中は非常に綺麗で、おしゃれ。渋谷のヒカリエにオタクショップが入っている感じで面白かった。2フロア位がオタクゾーンになっていて、他の売り場とまじりあっている。(2枚目は非オタクゾーンにあった韓国のメガネ屋)

日本企業だと、らしんばんとかが入っていた。

推しの子は中国では見れないらしく、香港では見れるらしい。

オタク・ヒカリエ

 

 

続いて、香港の昔ながらのカオスなビル「信和中心」を案内してもらった。ここが凄く面白い。

建物の雰囲気としては秋葉原のニュー秋葉原センターとかに近い。低い天井と細い道があって、中に小さいオタク商店が並んでいる。

1フロアに7,8個で4フロア位?一つ一つの店も、何かの専門店という感じがしない店が多くて、とにかくカオス。一つの店は6~8畳ぐらい?
どんな商品が現れるか分からないから、とにかくワクワクすると思う。15年ぐらい前の秋葉原にはこんな感じの店があったのかも?

 

ここで、Aさんの友人二人(ここでは、Bさん、Cさんとする)と合流してメイド喫茶に行くことに。

Aさんが有能すぎて、注文するメニューとかも考えてくれていた。本当に感謝したい。

全部(飲み物、ごはん、デザート、チェキ、ライブ)を頼んだ。

まず、メイドさんが国際色豊か(?)で驚いた。どこから来ているのかは分からないのだが、目の色や肌の色は人それぞれ違うなぁと感じる感じ。PolyUに通っているメイドさんもいて、留学生っぽかった。
言語についても、広東語、日本語、英語、(マンダリン?)が混じり合って使われ、超絶カオスな空間だった。(自分がいた為にカオスになった可能性はある)日本語は結構使われていて、挨拶とかは日本語でしてくれた。店内に日本語の教科書があって、その日にはいなかったのだが勉強している人もいるらしい。
また、ライブの歌は日本語で歌ってくれていた。めちゃくちゃうまい。Bさんは日本語の発音がめちゃくちゃうまいのだが、アニメを歌をよく聞き、歌うオタクだったのでこういうのは役に立つのかもしれない。

積みあがっていた謎の本(日本語の教科書もある)

オムライスとケーキを頼んで、綺麗な絵をかいてもらった。

ケーキは届いてから、「何か絵を出してくれれば書いてくれる」という感じで、初音ミクが台湾と香港でコンサートをした時のイラストを書いてもらった。

この頭についているの花は何か香港に関係してるのかな~と思っていたのだが、台湾由来らしい。台湾の国旗は桜とはまた別の花で、なんかユリっぽい花だった。

Cさんは自分で絵を描けるオタクらしく、自分で書いた絵をかいてもらっていて、強さを感じた。

 




 


メイドさんがライブをやってくれたのだが、香港で聞くこれがマジで良かった。

「自分が歌ってほしい曲をリクエストして、メイドさんが知っているか判定する」という仕組みで、これに少し戸惑ってしまった。日本語の曲名をいくつか出してもメイドさんは特に知らなさそうな感じで曲を全然決められていなかった。難航した挙句、自分の曲はonly_my_railgunになった。(全部英語なので通じた)

自分が知っている曲が流れるかな~と悩んでいたところでonly_my_railgunの後に流れてきたのが梅とらの「威風堂々」。大好きな曲なので興奮していたところ、日本語で曲が流れ始めて更に感謝。メイドさんが出てきて、歌を歌うのかなと思っていたら、なんと踊りを披露してくれた。タトゥーを右肩に入れて、それを大切にしている方らしく、右腕がはだけたメイド服の方だったのだが、その踊りのカッコいい事この上なかった....

その後、「心做し」をメイドさんが歌ってくれてた。まず日本語が上手すぎるし、自分の好きな曲なのでしんみり終わり非常に良かった。

終わってみて分かったことだが、香港のオタクたちは日本語の曲を日本語のまま聞いてくれていて、曲のタイトルとかは広東語で取り扱われるという感じのようだ。
僕らも洋楽とかは楽しめるし、音楽はそこそこ言語の壁を越えられるんだなぁと感じた。

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その後は私のお土産探しにみんなが付き合ってくれた。どうも香港という場所は色んなものが中国とか日本から入り込んでくる場所なのだが、自分の土地の商品というものがあまりないようだ。
面白かったのが、彼らが言ってた「薬は中国のモノを使って、サプリは日本のモノを使う」という話。よく考えると、西洋医学と未だに戦えている中国の薬って凄い

 


その他に思ったこと

友人の日本のメイドさんで、シール系のタトゥーが凄く好きな人を思い出した。タトゥーは多分、何かを愛する強いオタク的欲求と相性がいいのかもなぁと思った。

AさんによるとMong kokには21個のメイドカフェがあるらしい。本当かよ?と思ったが、歩いている間にいくつか他のメイドカフェが見つかったので本当かもしれない。Google mapで適当にググると10軒ぐらいがヒットする感じ

 

理工系の大学生で、これだけ言語がめちゃくちゃできるのはえぐい。ただ、話してみると、香港は理工系はあんまり強くないというようなことも言っていた。とくにPolyUは理工ということだが、ヘルスケアや生物系を深く取り扱ってるらしい

 

この人たちが日本好きであることを差し引いて考える必要があるが、「香港の故郷は日本」というジョーク(?)を教えてくれた。これは、日本人が年末年始に地元に帰ることから来ており、日本の年末年始シーズン(彼らは冬休みだが、故郷に帰る時期(旧正月)ではない)によく日本に行くかららしい。

 

話している感じ、多分香港は中国の中で最も日本のオタク文化を摂取してくれている場所で、多分香港がMAX。ただ、上海のアニメイベントには一日30万人以上来ているらしい。やっぱり南の方の地域の方はそこそこオタクいそう。上海のオタクとも会ってみたいなぁ。

 

今回の出会いは本当に奇跡的だった。Aさんに深く感謝したい。

 

オタクよ永遠なれ